Ⅱ章-5-1 

諸外国における障害者所得保障-独仏瑞の比較

 

上智大学 永野 仁美

目次

.はじめに

.所得保障制度の構造

1.障害年金制度の枠組み

2.障害年金の目的

3.社会保険と社会扶助・公的扶助

.障害年金の支給要件

1.年齢要件

2.保険料納付要件(被保険者要件を含む)

3.障害要件(労働・稼得能力の低下)

.手続き/具体的な認定方法

.支給要件の判定日

.受給者が就労した場合の年金への影響

.支給期間

.財源

.障害年金を補足する最低所得保障給付

1.最低所得保障給付の支給要件

2.最低所得保障額

.受給者の動向

 

 

Ⅰ.はじめに

本稿は、ドイツ・フランス・スウェーデンにおける障害者所得保障制度を比較しつつ紹介するものである。比較を行う事項については、日本の障害年金制度が抱える課題との関係で特に関心が高いものを選んでいる。以下で行う3か国の比較により、今後の日本における障害者所得保障制度に対する示唆を得ることを試みたい[1]

 

Ⅱ.所得保障制度の構造

1.障害年金制度の枠組み

 ドイツでは、日本と同様、老齢年金と同じ仕組みの中で障害年金の支給がなされている一方、フランス及びスウェーデンでは、疾病保険の枠組みの中でその支給がなされている。フランスは、第二次世界大戦前の制度創設以来、疾病保険の枠組みの中で障害年金を支給してきたが、スウェーデンについては、もともと老齢年金と同じ枠組みの中で支給してきた障害年金を、1998年に行われた老齢年金の抜本的改革を契機として、老齢年金の枠組みから切り離し、疾病保険の枠組みへと移行させたという経緯がある。

これらの例からは、障害のリスクについては、「老齢による稼得不能の早期の到来」と捉えるのか、それとも「疾病の延長」と捉えるのか、2つの考え方がありうることが示される。

 

2.障害年金の目的

  もっとも、障害年金の目的については、3か国に共通の考え方がみられる。すなわち、稼得・労働能力の減退に対して所得保障給付を行うことが目的とされている。

ドイツでは、疾病又は機能障害に起因する「被保険者の稼得能力の減退」により被保険者に生じる所得の損失を補填することが障害年金の目的とされている。フランスでも同様に、障害年金は、私傷病を原因とする労働・稼得能力の減退に対する給付と位置付けられている[2]。そして、スウェーデンにおいても、傷病補償年金・活動補償金は、医学上の理由に基づく労働能力の低下による所得の喪失・減少を補う給付として位置づけられている。

いずれも、障害を理由とする労働ないし稼得能力の減退に対し、現金給付を行うことが制度目的になっていると言える。なお、日本においても、政府は繰り返し、障害年金は「稼得能力の喪失又は減少」に対し所得保障給付を行うことで障害者の生活の安定・向上を図るものであるとの説明をしてきたことから[3]、障害年金を稼得・労働能力の減退に対する所得保障給付として位置づけることは、多くの国で共有された認識と言えよう。

 

3.社会保険と社会扶助・公的扶助

  他方、障害年金に最低所得保障という目的を持たせるか否かに関しては、3か国において相違がみられる。

ドイツ及びフランスでは、社会保険の役割と社会扶助の役割が明確に区分されている。すなわち、社会保険(独:年金保険、仏:疾病保険)の仕組みにより「障害年金」を保障する一方、保険原理の帰結として障害年金を受給できない者等に対して、税財源の社会扶助制度(独:障害時基礎保障、仏:成人障害者手当)により最低所得保障を行っている。ドイツでもフランスでも、社会保険は、基本的に保険事故発生前に稼得活動に従事していた者を対象とする。それゆえ、例えば、稼得活動に入る前に障害を負った若年障害者は、障害年金の支給の対象外とされる。

他方、スウェーデンでは、「傷病補償年金・活動補償金」という1つの枠組みの中で、所得比例の所得保障(就労に基づく給付)を行いつつ、最低所得保障(居住に基づく給付)も行っている。したがって、スウェーデンにも公的扶助の仕組みは存在するものの、これを受給する障害者は極めて少ない。

基礎年金制度を有する日本の障害年金の構造は、ドイツ及びフランスの障害年金よりもスウェーデンのものに近いと言える。それゆえ、ドイツ及びフランスの障害年金の仕組みから何らかの示唆を得ようとする場合には、この基本構造の相違には留意する必要がある。ただ、スウェーデンの仕組みにおいても、障害年金は、労働能力の低下による所得の喪失・減少を補う給付として位置づけられている点は着目に値する。

 

Ⅲ.障害年金の支給要件

続いて、障害年金の支給要件の中でも特に重要と思われる年齢要件、保険料納付要件(被保険者要件を含む)、障害要件について、以下で比較していく。

 

1.年齢要件

いずれの国においても、障害年金は、老齢年金の受給開始年齢に達するまでの給付として位置づけられている。ドイツでは、障害年金の支給にあたり、稼得活動に従事し、年金保険の被保険者である者が、老齢年金支給開始年齢の到達前に「稼得能力減退」を発生させていることが求められている。また、老齢年金の支給開始年齢に達すると、障害年金から老齢年金への支給の切替えが行われる[4]。フランスの障害年金も同様に、退職年齢に達する前の被保険者をその支給対象としており、老齢年金の受給可能年齢になると、障害年金から老齢年金への支給の切替えがなされる[5]。さらに、スウェーデンの傷病補償年金も、老齢年金の支給開始年齢に到達すると、老齢年金への切替えが行われる[6]。日本とは異なり、老齢年金への切替えが必ずなされるが、それが原因で低年金となることへの配慮は、それぞれの国においてなされている。

年齢の下限については、ドイツ及びフランスの障害年金の仕組みでは、特に言及がないものの、稼得活動に従事し、社会保険(独:年金保険、仏:一般制度)の被保険者となっていることが前提とされる。他方、スウェーデンには、30歳以上の者を支給対象とする傷病補償年金と、30歳未満の者を支給対象とする活動補償金とが存在し、年齢により受給できる給付が異なっている。傷病補償年金は、原則として被保険者が30歳に達した月から66歳に達する月の前月(202512月以降は、最低保障年金の受給開始年齢に達する月の前月)まで支給されるが、労働能力を完全又はほぼ完全に喪失している場合には、19歳に達する年の7月から支給される。他方、活動補償金は、被保険者が19歳に達する年の7月から受給が可能であり、最長で30歳に達する月の前月まで支給される。年齢により異なる給付がなされるのは、若年障害者に個人の発達や就労可能性の維持を保障するためである。

 

2.保険料納付要件(被保険者要件を含む)

老齢年金と同じ仕組みの中か、疾病保険の枠組みの中かという相違はあるものの、いずれの国においても、社会保険の仕組みの中で障害年金の支給がなされている。社会保険の仕組みを採る場合には、保険であることの帰結として、保険事故の発生時に被保険者であることや、保険事故の発生前に一定の保険料の納付をしていることが原則として求められる。

ドイツでは、障害年金の支給に際して、稼得能力減退の発生前に5年間の保険料納付済み期間を有していること、及び、同発生前の直近5年間のうちに強制保険料を3年間納めていることが求められる。この帰結として、保険事故発生時に被保険者である必要は必ずしもなく、保険加入義務を課せられる就労・業務を退職してから原則として2年間は障害年金の支給を受けられる。また、5年間の保険料納付済み期間の要件を満たす前から完全稼得能力減退である障害者は、事後の20年間にわたる保険料納付により、障害年金の受給資格を有することとなる。いずれにせよ、無拠出の給付は存在しない。

フランスも同様に無拠出の給付は持たない。障害年金を受給するためには、労働の停止又は障害の確認があった月の初日の時点で12か月以上の被保険者期間が必要であり、また、その12か月の間に少なくとも600時間の労働時間を有するか、時間当たり最低賃金の2,030倍の賃金に課せられる保険料を納付していることが求められる。もっとも、フランスにおいても、被保険者資格の喪失後12か月間は、障害年金を受給する権利を維持できる。

スウェーデンでは、就労に基づく所得比例給付と居住に基づく最低保障給付とが存在するが、前者を受給するためには、保険事故の発生時に就労に基づく社会保険の被保険者資格を有していなければならず(保険事故が18歳に達する年より前に発生した場合には保険事故発生時に被保険者であることは要求されない)、また、保険事故発生の直前の一定期間(年齢により異なる)内に1年以上、年金基礎所得を認定されている必要がある。ただ、転職等による就労の中断により社会保険による保護を失わないよう、1年間の延長保護期間が設けられている。他方、後者を受給するためには、保険事故発生時に居住に基づく社会保険の被保険者資格を有していなければならない。保険事故が18歳に達する年よりも前に発生した場合はこの要件は要求されないが、スウェーデンでの居住を開始した時点で既に障害を負っている場合は、最低保障給付を受給できない。また、最低保障給付は、保険加入期間(16歳に達した年から保険事故発生の前年までの期間と、保険事故発生の年から65歳に達する年(202512月以降は、最低保障年金の受給開始年齢に達する年の前年)までの期間(保険事故発生の前年までの実際の保険加入期間による調整あり)の合計)が3年以上ある場合にのみ支給される。ただし、保険事故が被保険者が18歳になる年よりも前に発生した場合は、16歳に達した年から65歳に達する年までの全ての期間が保険加入期間として算定され、先天性又は若年期の障害に対しても最低保障給付がなされることとなっている。要するに、最低保障給付では、スウェーデンとの一定の結びつきを有していることが重要とされる。

以上のような被保険者・保険料納付に関する要件が存することから、特にドイツ及びフランスでは、とりわけ先天性の障害を有する者や若年期に障害を負った者が障害年金を受給できない。ただ、それは社会扶助の仕組みで補足することとなっている。他方、傷病補償年金・活動補償金に最低所得保障の機能を持たせているスウェーデンでは、先天性又は若年期の障害に対し被保険者要件ないし保険料納付要件を課さないことで、傷病補償年金・活動補償金を普遍的給付とすることが試みられている。また、スウェーデンでは、社会保険料の徴収が徹底されていることが(疾病保険の保険料は全額使用者負担であり、自営業者についても社会保険料は租税と合わせて徴収される)、傷病補償年金・活動補償金を受給できない障害者を発生させないことに寄与していると言える。

さらに、いずれの国においても、保険原理を修正し、被保険者資格を失った後も一定期間は給付を受けられる仕組みを設けている点も注目すべきである。社会保険は、一般の保険とは自ずと異なることから、こうした仕組みを設けることは、十分にありうる選択肢である

 

3.障害要件(労働・稼得能力の低下)

いずれの国でも、障害年金における障害は、「労働ないし稼得能力の減退」として捉えられている。障害年金が、「稼得・労働能力の減退」に対する所得保障給付と位置づけられていることの帰結と言えるが、この点は、障害年金は「稼得能力の喪失又は減少」に対する所得保障給付であると説明しつつ(⇒2(2))、障害年金(障害基礎年金及び障害厚生年金1級・2級)における障害を「日常生活に対する制限」としている日本とは異なっている。

ドイツでは、障害を「一部稼得能力減退」又は「完全稼得能力減退」という概念で捉えており、それぞれを労働時間により定義づけている。すなわち、一部稼得能力減退は、疾病又は機能障害を理由として「一般労働市場の通常の条件の下で13時間以上6時間未満しか稼得活動に従事することが長期にわたってできない」ことを指し、完全稼得能力減退は「一般労働市場の通常の条件の下で13時間未満しか稼得活動に従事することが長期にわたってできない」ことを指す。労働時間を基準とした理由については、すべての被保険者について統一的かつ平等に稼得能力減退を認定するためであるとの説明がなされている。なお、一部稼得能力減退は、一般労働市場において働くことができることを前提とするが、労働市場の状況により労働市場から1年以上にわたり排除されている場合には、完全稼得能力減退とされる。

フランスも同様に、障害を「稼得・労働能力の減退」として捉えており、私傷病の結果、労働・稼得能力が3分の2以上減退している場合に、障害年金の支給を行うこととしている。労働・稼得能力が3分の2以上減退しているか否かは、従前賃金の3分の1以上を得ることができるか否かによって判断されるが、その際には、残された労働能力、一般的状況、年齢、身体的精神的能力、適性・職業訓練が考慮される。

最後に、スウェーデンでは、傷病補償年金・活動補償金の受給にあたり「労働能力が4分の1以上低下していること」が求められる。傷病補償年金については、労働能力の低下が恒久的で、治療やリハビリテーションにより労働能力が回復しないと判定されなければならないとされる一方、活動補償金は、労働能力の低下が1年以上続く場合に支給される。具体的な判断においては、例えば、満額支給の対象となる労働能力の完全又はほぼ完全な低下があるか否かについては、残存する労働能力により遂行できる労働がフルタイム労働の8分の1(週5時間)を超えず、かつ当該労働により得られる収入が同じ労働をフルタイムで行って得られる通常の収入の8分の1を超えないことが基準とされており、労働時間や収入がメルクマールとされる。なお、労働能力の低下は、医学的な理由によるものでなければならないとされており、それ以外の事情(年齢、居住環境、教育、活動歴等)は考慮されない。また、労働能力の低下は、労働市場における有償労働(障害者のための労働市場プログラムを通じた雇用も含むが、労働条件・職場環境の調整等があまりに広範かつ重大なものは除かれる)を通じて生計を維持する能力に照らして判定されることとなっている。もっとも、老齢年金の受給開始年齢まで5年以内の年齢に達している者については、同人が経験を有する有償労働や同人がアクセス可能なその他の適切な労働を通じて生計を維持できるか否かが考慮される。

  以上の3か国における状況からは、障害年金における障害を「労働・稼得能力の低減」と捉えつつ、その低減の程度については、労働時間ないし賃金を基準として測りうることが示唆される(ドイツでは労働時間が基準とされているものの、労働関係が労働時間とそれに基づく賃金査定により標準化されているため、労働時間か賃金かの相違がそれほど重要性をもたないと言われている)。また、労働市場の状況や障害者が労働市場において置かれている状況が考慮されうることも指摘できる。障害者に関する雇用政策が実施されていてもなお、障害者が労働市場において不利な立場に置かれていることは考慮すべき事項である。

 

Ⅳ.手続き/具体的な認定方法

日本では、20174月以降、申請のあった障害基礎年金・厚生年金について、東京にある障害年金センターで一元的に裁定がなされている。主として認定医が書類のみで審査を行っていること、また、実際の障害認定が機能障害をベースとした医学モデルに基づくこと(結果として、就労に困難のある障害者が障害年金を受給できないケースがあること)等が課題として認識されているところである。

この点、ドイツでは、被保険者から障害年金の申請がなされると、年金保険者が稼得能力減退などの支給要件の審査を行うこととなっている。保険法上の要件(保険料納付済み期間や強制保険料支払い期間)が充足された段階で、年金保険の医師職員(判定医)が稼得能力減退についての社会医学的判定を行う。具体的には、直前に従事していた業務を行う能力を確認した後に、一般労働市場には多様な業務が存在することを前提として、そこで業務に従事する能力が測られる。その際に考慮されるのは、どの程度の肉体労働、作業姿勢、勤務体制が可能であるか(能力の積極面)、及び、精神的な耐久性、感覚器官、運動・姿勢器官、危険・負荷要因に制限があるか(能力の消極面)である。具体的な疾患ごとの社会医学的判定の留意点については、ドイツ年金保険連合が編纂した「年金保険のための社会医学的判定(第7版)」で示されている。

フランスでは、障害年金の支給手続きは、初級疾病保険金庫(以下「CPAM」という。)が担当している。傷病手当金からの切替えで障害年金が支給されることがほとんどであることから、CPAMがイニシアティブをとって障害年金の支給決定をすることが多い。ただ、CPAMがイニシアティブをとらない場合には、被保険者自身で申請を行うことになる。支給決定の際には、CPAMの顧問医が、当事者と実際に面談をし、医学的側面に加えて社会的・職業的側面についても判断をし(その際の認定基準は用意されていない)、報告書を作成することとなっており、その作成された報告書に対して、CPAMの内部統制(主任医によるセカンド・オピニンオンやスーパービジョンの仕組み)によりチェックが行われる。なお、特に複雑なケースについては、医師以外の者も参加する合議制で障害認定を行うことが、2023年以降実験的に行われている。

スウェーデンでは、社会保険庁が傷病補償年金・活動補償金の管理運営を実施しており、給付に係る事務も行っている。傷病補償年金・活動補償金の支給を希望する者が、医師の意見書を添えて申請書を提出し、社会保険庁の審査担当者が、必要に応じて社会保険庁の医師職員から医学的な助言を得つつ、手続きを進めるが、その際、審査担当者は、被保険者と面談をしたり、被保険者の使用者や主治医等に質問を行ったりすることができる。また、支給決定のために被保険者の心身の機能や活動能力を判定する保険医学的診察が、保健医療サービスを管轄するレギオン(日本の県に相当する広域自治体)の医師や医療専門職により行われる。そして、被保険者の障害や労働能力の状態・変化を判定し、様々なリハビリテーションを提案・計画するために、被保険者や社会保険庁の職員及び被保険者の状況に影響を与えうる者が参加する調整会議も開かれる。これらを経て、最終的に社会保険庁の決定者が、受給要件が充足されているかを決定することとなる。なお、認定基準については、統一的なものは存しないが、傷病手当の支給判定のためのガイドライン(「保険医学的な判断支援」)が参照されることがある。

以上からは、具体的な障害の状態(労働・稼得能力の減退の程度)を測るに際しては、いずれの国においても、医師が重要な役割を果たしていることが分かる。ただ、単に医学的な側面を見るのではなく、それが持つ社会的・職業的な側面についても判断を加えることが期待されていることが覗える。また、フランスやスウェーデンでは、認定に際し、申請者との面談が行われるなど、申請者の置かれた状況を申請者から確認する機会が用意されている。フランスでは今後、スウェーデンでは既に、医師以外の専門職が認定手続きに関わることにもなっている。申請者の置かれた状況を多角的な側面から判断するには、本人さらには医師以外の専門職が支給決定に参加することが重要であることが示唆される。

 

Ⅴ.支給要件の判定日

日本では、障害年金の支給要件(より正確には、被保険者要件/保険料納付要件)の判定日は、障害の原因となる傷病の初診日であるが、いずれの国においても、初診日は判定日とはされていない。

ドイツでは、支給要件の判定日は、稼得能力減退の発生日である。急性の出来事の発生日、症状の悪化日、直近の労働不能の開始日、疾病を理由とする辞職日等の客観的な基準により認定されるが、実務上は、年金保険者の医師職員が稼得能力減退が発生したと判断した日が判定日となることが多いとされる。フランスでは、労働の停止又は障害の確認があった日が被保険者要件等の判定日である。フランスの特徴としては、上述のとおり、障害年金の支給の多くが傷病手当金からの切替えであり、支給手続きのイニシアティブは初級疾病保険金庫(CPAM)がとる点も指摘しておきたい。そして、スウェーデンでも、保険事故の発生日は、障害の原因となる傷病の初診日ではなく、医療行為やリハビリテーションがすべて終了し、それでもなお労働能力が低下していると判断された時点とされている。

 

Ⅵ.支給額の算定方法(支給水準)

障害年金の算定方法、及び、その支給水準は、障害者の生活に直結する重要な論点である。この点、ドイツでは、障害年金の支給額は、従前生活保障の考え方に基づき、稼得能力減退発生前の保険加入期間と従前所得により決定される。算定方法は、老齢年金と共通であるが、老齢年金の場合と比して保険加入期間が短くなることを勘案して、稼得能力減退発生時から満67歳までの期間については、追加的に期間を加算する。最低保障額の設定はないが、これにより低年金となることの防止がなされている。一部稼得能力減退年金の場合は、保険加入期間と従前所得により算出された額の0.5倍が支給額となる。また、老齢年金の繰上げ受給との関係で、満65歳以前に障害年金を受け取る場合には、月0.3%ずつの割引がある(最高10.8%)。結果として(諸々の経過措置があり、実際の計算はより複雑だが)、一部稼得能力減退年金の平均支給月額は571ユーロ、完全稼得能力減退年金の平均支給月額は894ユーロとなっている(既裁定者、2021年)[7]

フランスでは、障害年金の支給額は、就労が可能か否か、第三者による介護が必要か否かによって異なっている。就労が可能な者は、カテゴリー1に分類され、被保険者期間のうちの賃金(保険料賦課の対象となる賃金)の高かった10年の平均年収の30%が支給される。就労は不可能だが、第三者の介護を必要としない者は、カテゴリー2に分類され、同平均年収の50%が支給される。最後に、就労が不可能で、かつ、第三者の介護を必要とする者は、カテゴリー3に分類され、同平均年収の50%に加えて、第三者介護加算として同平均年収の40%も支給される。結果として、カテゴリー1の者には、平均して月額550ユーロ、カテゴリー2の者には月額840ユーロ、カテゴリー3の者には月額1860ユーロが支給されている(2020年)。

スウェーデンの所得比例の傷病補償年金・活動補償金の支給額は、労働能力の低下によって失われた将来の所得(推定所得)を算定基礎として計算されている。推定所得は、保険事故発生前の一定期間(年齢により58年)における被保険者の年間総所得(上限あり)に基づいて算出される。また、最終的な支給額は、労働能力の低下の程度に応じて4段階に分かれており、①労働能力が完全又はほぼ完全に低下している場合は満額(推定所得の64.7%)、②労働能力が4分の3以上低下しているが①に至らない場合は4分の3の額、③労働能力が2分の1以上4分の3未満低下している場合は半額、④労働能力が4分の1以上2分の1未満低下している場合は4分の1の額となる。他方、所得比例の傷病補償年金・活動補償金を受給できない場合、又はその額が最低保障水準を下回る場合には、最低保障の傷病補償年金・活動補償金が支給される。満額時の支給水準は、30歳に達した月以降は、物価基礎額の2.78倍(月額12163SEK2023年))(老齢最低保障年金の給付水準よりも高い水準)で、30歳未満の者についても、年齢別の最低保障水準が設けられている(年齢が若いほど低い)。最低保障給付の水準は、すべての障害者に正当な生活水準を保障すべきであるという考え方に基づき設計されている。なお、最低保障給付は、保険事故発生前にスウェーデンと一定の結びつきを有していたことを条件として基礎的保障を行うものであるから、その支給額は、被保険者の保険加入期間(⇒3(2))が40年に足りない場合、1年不足するごとに40分の1ずつ減額される。平均すると、傷病補償年金の支給額は、女性で月額9680SEK、男性で月額1650SEKであり、活動補償金の支給額は、女性で月額9004SEK、男性で月額9064SEKである(2021年)[8]

介護加算の考え方を導入している国は、フランスのみであるが、いずれの国においても、就労の状況により支給水準を変えている点は共通する。フランスは、労働・稼働能力の3分の2以上の減退を前提として、就労が可能か否かの区別をしているが、ドイツ及びスウェーデンでは、減退の程度が緩やかな場合を想定した形で場合分けがなされており、給付水準もそれに合わせて調整されている(ドイツよりもスウェーデンの方がきめ細やかな場合分けとなっている)。障害者の労働・稼得能力の低減の程度はグラデーションがあること、及び、障害者雇用促進策により障害者の労働市場での就労を促進することが求められていることに鑑みると、例えばスウェーデンのようなきめ細やかな段階設定で、障害者の労働・稼働能力の低減の程度に応じた給付水準を用意することが望ましいようにも思われる。

また、最終的な支給水準については、物価の相違や他の社会保障給付(例えば、最低所得給付、住宅手当、福祉サービスに関する給付)の存在等との関係もあり、単純な比較はできないが、老齢年金の給付水準の抑制に連動して障害年金の給付水準も抑制されつつある日本において、参考となる数字が提示されていると言えよう。

 

Ⅶ.受給者が就労した場合の年金への影響

Ⅵ(支給額の算定方法(支給水準))とも関連するが、障害年金の受給者が就労する場合の障害年金の取扱いは、障害者の雇用促進とも絡んで重要な意味を持つ。

 ドイツでは、特に一部稼得能力減退の場合は、労働市場で働くことが想定されており、一部稼得能力減退年金を受給しながら、例えばパートタイム勤務を行うことができる。就労することで得る追加報酬が、年間の限度額を超えない限り、障害年金は満額で支給される。完全稼得能力減退年金の追加報酬限度額は、13時間未満という稼得能力の制限に配慮して、年額で平均報酬月額の14倍の8分の32023年で17823.75ユーロ)とされており、一部稼得能力減退年金については、稼得能力減退の発生前の直近15年間のうちで最高の報酬ポイント[9]に平均報酬月額の9.72倍を乗じて得た額(ただし、最低でも平均報酬月額の14倍の8分の6)とされる。限度額を超えると、超える額の12分の140%が満額の障害年金から控除される。

フランスでは、とりわけカテゴリー1の者について、就労することが想定されている。就労している場合には、通常6か月に一度の受給権の確認も3か月ごとに行われる。障害の状態が改善し、就労を再開した場合には、年金の全部又は一部が支給停止とされ、稼得能力が50%を超えるようになった場合には、支給の停止又は廃止がなされる(障害の状態の改善が恒久的ではないと判断される場合には停止、恒久的であると判断される場合には廃止となる)。ただし、治療を受けていたり、研修・職業訓練を受けている場合等には、障害年金の50%までの範囲で一部受給も可能である。

スウェーデンでは、傷病補償年金・活動補償金の受給者が、支給決定時に失われたものと判定された労働能力を活用して有償労働をする場合には、有償労働がなされた期間、その程度に応じて、傷病補償年金・活動補償金を受給する権利を有しないとされる。例えば、満額の傷病補償年金・活動補償金の受給者は、週5時間以内の労働で、かつ収入が当該労働にフルタイムで従事して得られる通常の収入の8分の1以下である場合には、給付を受給しながら就労できるが、この程度を超えて就労する場合は受給権の再審査が行われ、労働能力の回復の程度に応じて傷病補償年金・活動補償金の減額又は支給停止がなされる。もっとも、受給者の労働生活への復帰の促進のために、一定期間は、受給権を失わずに就労を試すことができる。また、就労期間中は、その就労の程度に応じて休止された傷病補償年金・活動補償金の25%に相当する額が支給される。

以上のような各国における取扱いからは、障害者の就労インセンティブへの配慮が見受けられる。そして、①一定額までは障害年金を減額されることなく、就労所得を得られるとすること、②所得が一定額を超える場合にも、障害年金を一部停止(一部給付)ないし停止とし、受給権そのものは維持させること、③就労所得の一部については収入から控除すること等が、就労インセンティブに配慮する措置として考えられうる。また、労働・稼得能力が回復した場合にも、職業訓練を受ける間は障害年金を一部支給する措置は、障害者の労働市場への(再)参入を支援する措置と言うことができよう。日本の障害年金制度は、20歳以上に初診日がある者については、就労の有無は障害年金の支給に影響を与えないが、仮に就労との関係を重視する制度設計を行うならば、障害者の就労インセンティブに配慮する措置をどのように設けるかが、重要な検討課題となる。

 

Ⅷ.支給期間

障害の状態は、症状が固定した状態であり、不変であると考えられてきたが、近年では、障害の状態は可変的であるとの考え方が広まってきている。障害の状態が変わりうるものであることを前提とすると、その支給期間をどのように設定するのかという点も、重要な論点となりうる。

ドイツでは、障害年金の支給期間は原則として3年である。しかし、労働市場の状態にかかわらず、もっぱら健康上の理由に基づき稼得能力が減退している場合で、かつ、稼得能力減退の回復の見込みがない場合には、期間を定めずに支給される。また、支給期間が合計9年となった場合には、期間を定めずに支給されることとなる。一方、稼得能力の改善により支給要件が消滅した場合には、障害年金の支給は終了する。

フランスでは、障害年金の受給権は終身のものではないとされ、毎年、支払機関であるCPAMにより確認がなされる(上述のように、就労している場合には3か月ごとに確認がなされる)。

スウェーデンの傷病補償年金は、期間の定めのない給付であるが、その支給決定後、被保険者が61歳に達するまでは、少なくとも3年に一度、社会保険庁は被保険者の労働能力の追跡調査をしなければならない。他方、活動補償金は、有期給付であり、一度の支給決定は3年を超えることはできないとされる。

障害者が負う行政手続き上の負担に配慮して、期間の定めのない給付を一部で認めつつ、就労の状況との関係で給付内容(給付水準)が異なる場合には、特に障害者の就労を促す観点から、有効期間を設けることも選択肢であると言えよう。

 

Ⅸ.財源

障害年金は、社会保険の仕組みの中で支給されることから、いずれの国においても、保険料が財源となっている。ただし、保険料収入を補足するため、税財源も多く投入されている。

ドイツでは、障害年金の支出総額は、210290万ユーロに及んでいる(2021年)。その主な財源は、労使が負担する保険料であり、収入全体の約4分の3を占めている。残りは、連邦からの補助で賄われる。

フランスでも、同様に保険料が重要な税源となっている。ただ、疾病保険においては、財源の租税代替化が進んでおり、その過程で2018年以降は保険料の労働者負担分はなくなっている。そして、2022年現在、疾病保険財政に占める保険料収入の割合は4割弱にすぎない状況となっている。障害年金の給付額は、82億ユーロであり(2021年)、ドイツと比較すると少ないが、フランスでは、成人障害者手当の給付額が112億ユーロと大きく、これが障害者の所得保障のために果たしている役割が大きい(2021年)。

スウェーデンの場合は、所得比例の傷病補償年金・活動補償金と、最低保障の傷病補償年金・活動補償金とで、異なる財源となっている。すなわち、前者が、使用者及び自営業者が負担する疾病保険料により賄われているのに対し、後者は国庫負担(租税)で賄われている。傷病補償年金の給付総額は約276SEK、活動補償金の給付総額は約34SEKである(2021年)。

なお、日本では、障害年金の支給に約21910億円が使われているが[10]、日本の人口規模に鑑みると、相対的に予算規模は大きくないと言える。

 

Ⅹ.障害年金を補足する最低所得保障給付

以上は、障害年金についての記述であるが、ドイツ及びフランスにおいては、受給者数の面でも、社会扶助に属する最低所得保障給付が重要な役割を果たしていることから、若干の言及をしておきたい。実際のところ、ドイツでは、約533600人が障害時基礎保障を受給しており(2021年)、フランスでは障害年金(約831000人(2020年))よりも多い、約125万人が成人障害者手当を受給している(2021年)。特にフランスでは、障害者に対する所得保障の仕組みとしては、障害年金よりも成人障害者手当が果たす役割の方が大きいことがうかがえる。

 

1.最低所得保障給付の支給要件

ドイツの障害時基礎保障は、①ドイツ国内に通常の居所を有していること、②永続的に完全稼得能力減退であること、③所得及び資産によって生活費を賄うことができないことを要件として支給される。家族等から必要な給付を受けることができる者は社会扶助を受けられない。また、13時間以上稼得活動に従事することができる場合には、障害時基礎保障ではなく求職者基礎保障の対象となり、扶助給付を受給しつつ、就労支援を受けることとなる。なお、所得・資産については、同居の配偶者又は生活パートナーの所得・資産も考慮されるが、受給者の就労インセンティブに配慮して、受給者の自営・非自営による所得については、その30%が控除される。

フランスでは、原則として20歳以上の者を成人障害者手当の支給対象とし、障害率が80%以上である、又は、障害率が5079%で1年以上にわたり雇用へのアクセスが実質的永続的に制限されている場合に、所得要件の下で給付が行われる。支給に際し考慮される所得には、配偶者・パートナーの収入が含まれていたが、202310月以降は、受給者本人の収入のみが考慮されることとなった。また、就労所得については、一定の控除が行われることとなっており(控除率:月額512.79ユーロまでは80%、月額512.79ユーロを超える場合は40%)、成人障害者手当受給者の就労インセンティブへの配慮がみられる。

 

2.最低所得保障額

ドイツの障害時基礎保障の支給額は、障害者の需要に即して算定される。この需要には、必要生計費に関する基準需要段階による基準額、障害者に対する増加需要、疾病保険・介護保険のための保険料負担、住居及び暖房のための適切な実費が含まれる。基準額は、居宅で単身生活する成人については月502ユーロ、配偶者又は生活パートナーと生活する成人については451ユーロとされており(2023年)、完全稼得能力減退による増加需要として、適用される基準額の17%が加味される。

  他方、フランスの成人障害者手当は、生活の基本的部分を保障するための給付と位置付けられており(障害に起因する特別な費用を保障する給付として、別途障害補償給付がある)、満額で月971.37ユーロ(20234月)が支給される。障害年金(カテゴリー1及び2)の平均支給額よりも高いことから、障害年金を補足して成人障害者手当を受給する者も多い。

 

Ⅺ.受給者の動向

日本では、人口約12507万に対して、約231万の障害年金受給者(20213月末)[11]がいる。最後に、各国における障害年金の受給者の動向についても確認しておきたい。

ドイツでは、人口約8322万に対し、約181万人が障害年金を受給している(2021年)。一部稼得能力減退年金の受給者が約87500人であるのに対し、完全稼得能力減退年金の受給者が約1716700人で、完全稼得能力減退年金の受給者が大半を占めている。新規裁定者の平均年齢は53.6歳で、精神疾患を有する者が約4割を占めているという特徴もある。

フランスでは、人口約6804万人(2023年)に対し、約831000人が障害年金を受給している(2020年)(上述のとおり、約125万人(2021年)が成人障害者手当を受給していることにも留意が必要である。成人障害者手当の受給者は、制度発足以降、増加し続けている)。そのうちの約4分の3が、就労できない者を対象とする障害年金(カテゴリー2及び3)を受給している。障害年金の受給者は、年齢と共に増大する傾向にあり、老齢年金に切り替わる前の61歳で、人口の約9%が障害年金を受給している。また、年齢とともに、就労可能なカテゴリー1の受給者は減り、就労ができないカテゴリー2の受給者が増える傾向がみられる。

スウェーデンでは、人口約1025万に対し、約222000人が傷病補償年金を、約28900人が活動補償金を受給している(2021年)。人口の約4%が受給をしており、年齢が高くなるほど受給者が人口に占める割合は高くなっている。傷病補償年金の受給者数については、受給者の老齢年金受給開始年齢の到達や支給要件の厳格化により、減少傾向がみられる。傷病補償年金の受給者のうち、若年層では満額の傷病補償年金を受給する者が多いが、高齢層では部分給付の受給者が多くなる。ただ、年齢が上がるほど、所得比例給付の受給権を獲得する機会があるため、平均支給額は高くなる。最低保障給付のみの受給者が占める割合は上昇傾向にあり、特に、活動補償金の受給者の多くが、就労に基づく保険給付の受給権を獲得できないことを理由として、最低保障給付のみを受給している。また、スウェーデンでも、性別・年齢を問わず、精神疾患を理由とする受給が多くなっており、特に若年層ほど精神疾患が占める割合が高いこととなっている。

フランスは、障害種別ごとの統計を持たないが、ドイツ及びスウェーデンにおいては、精神障害者の受給が増大する傾向が見られ、日本における状況と重なる[12]。また、当然のことのようにも思われるが、年齢とともに障害年金の受給者が増大するのは、いずれの国にも共通する特徴である。

 

 



[1] 本稿は、厚生労働科学研究費補助金行政政策研究分野政策科学総合研究(政策科学推進研究)「公的年金制度の所得保障機能・所得再分配機能に関する検討に資する研究」(研究代表者:山田篤裕)(2021年度~2022年度)の研究成果の一部である。ドイツについては、福島豪「ドイツにおける障害年金の仕組み」、フランスについては、永野仁美「フランスにおける障害者所得保障制度」、スウェーデンについては、中野妙子「スウェーデンの障害年金制度」を参照し、3か国比較を行っている。各論文は、厚生労働科学研究成果データベース(https://mhlw-grants.niph.go.jp/project/161206)からダウンロードできる。

[2] フランスの障害年金においては、第三者の介護を必要とする者に介護加算(被保険者期間のうちの賃金(保険料賦課の対象となる賃金)の高かった10年の平均年収の40%)が支給されることから、介護費用の保障も念頭に置いていると言える。

[3] 安部敬太「障害年金における等級認定(1)-その歴史的変遷」早稲田大学大学院法研論集176号(年)2頁、19-20頁。

[4] 切替えに際して、障害年金と同額の老齢年金が保障されることになるが、就労して保険料を負担していた場合は、就労していなかった障害年金受給者と比較して高額の老齢年金を保障される。また、重度障害者は満65歳から割引の伴わない老齢年金を受給できる(6)。

[5] 高齢期においては、高齢者連帯手当による最低所得保障があり、それが障害者向けの最低所得保障給付である成人障害者手当の支給額を下回る場合には、成人障害者手当が補足的に支給される。

[6] 老齢年金の算定に際しては、障害によって失われたと推定される所得の全額を所得比例老齢年金の算定基礎とすることで、老齢年金額の減少を防ぐことが図られている。ただし、傷病補償年金と同額の老齢年金を保障するわけではない。また、受給者が老齢に達し、老齢年金における最低保障年金のみを受給する場合には、その受給額は下がることになる。

[7] 1ユーロ=約160円(20241月)。

[8] SEK=約14円(20241月)。

[9] 例えば、保険料納付期間の報酬ポイントは、被保険者個人の報酬を全被保険者の平均報酬で除した数値である。

[10] 国立社会保障・人口問題研究所「令和2年度社会保障費用統計」(https://www.ipss.go.jp/ss-cost/j/fsss-R02/fsss_R02.html)集計表1

[11] 「厚生年金保険・国民年金事業年報(令和3年度)」(https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/nenkin/nenkin/toukei/nenpou/2008/dl/gaiyou_r03.pdf3頁。

[12] 日本では、障害基礎年金の新規裁定者の約8割が精神障害・知的障害である。日本年金機構「障害年金業務統計(令和3年度決定分)」(2022年)3頁。