障害年金制度改革専門部会の立ち上げを求める申し入れ

 

202362日、当会は、厚生労働大臣に対して、障害年金制度改革専門部会の立ち上げを求める申し入れを行いました。

(その後、プレスリリースを実施。「福祉新聞」の掲載記事を下にスクロールしていただくことで、閲覧できます。)

 

 <厚生労働省対応者> 年金局年金課企画法令第一係 係長及び担当者の計2

 <当会からの参加者> 橋本宏子代表及び運営委員3名の計4

 

 

1.申し入れ内容

 

以下の申入書のとおりです。

 

障害年金制度改革専門部会の立ち上げを求める声明(申入書)

厚生労働大臣 加藤 勝信 殿

2023年6月2日

障害年金法研究会

代表  橋本宏子

申入事項

障害年金制度の諸課題を改革するために障害年金問題に精通した委員による障害年金制度改革専門部会を立ち上げ、改革のための議論を進めて下さい。

申し入れの理由

はじめに

当会は、障害年金を必要とする人に確実に行き届くようにするため、障害年金問題に取り組む弁護士、社会保険労務士、社会福祉士・精神保健福祉士等の専門家、研究者等の専門職が協力しながら具体的事案を通じて研鑽を重ね、障害年金制度をよりよいものに改善するために201510月に結成された研究団体です。https://nenkin-law.com

当会は、今まで国に対して、201731日「審査請求における口頭意見陳述への国の欠席問題」改善申し入れ、201999日「審査請求における口頭意見陳述の録音中止問題」改善申し入れを行い、いずれも一定の改善対応をして頂きました。その節の御対応に敬意を表します。

申し入れの趣旨

現行の障害年金については、本来受給しうる人々に権利が認められない状況があり、法制度上、運用上、様々な大きな問題があり、国が問題をしっかりと検討し、改革を進めるべきと考えております。

その点、国が社会保障審議会年金部会において20221025日を第1回として、年金制度改革を議論していることに注視しています。しかしながら、2023328日の第

2回までの議論の状況を拝見する限り、障害年金の改革に関し、事務局及び19名の委員の発言・意見・議論は極めて限られています。

ようやく同年58日の第3回において、部会長及び3名の委員から障害年金に関する発言がありましたが、実質的な議論には至っておりません。率直なところ、同部会の枠組みに任せていては、障害年金に関してこの国に喫緊の課題の改革のための議論は期待し難いと指摘せざるを得ません。

同部会が国の年金制度全体について議論を進めることは重要ですが、部会とは別個に(同部会の一部門でも構いません)、障害年金制度改革のための専門部会を設置し、障害年金に特化した議論を進めることが不可欠であると当会は確信しております。第3回部会において、委員の一人から同趣旨の発言もあったものと認識しています。

省内にてご検討頂き、速やかなる設置をご決断頂きますよう申し入れます。

  以上

 

2.申し入れ後のやり取りの概略

 

 [当会] 社会保障審議会年金部会(以下「社保審」)では今のところ障害年金についての突っ込んだ議論はなく、障害年金に関する改革は厳しいのでは、と懸念している。障害年金に精通した人による専門部会の立ち上げについて、具体的な対応をお願いしたい。

[厚労省係長] 社保審委員からも同様の要望が出ており、検討していきたいが、現段階では具体的なことは申し上げられない。

[当会] 社保審資料によると20241月目処に基本的な考え方のとりまとめを行うとのことだが、障害年金についてはどの時期に議論を予定しているのか?

[厚労省係長] 2023年中に大きなテーマについて議論し、来年1月までに一巡させる予定。障害年金に関する議論の進め方については、今のところ具体的には決まっていない。

[当会] 障害年金も含め2024年末には年金部会の議論を取りまとめる予定か。

[厚労省係長] そうでなければ、法案提出に間に合わない。

[当会] 社保審3回目では、障害年金の基本に関わる意見も出ていた。これを踏まえた議論ができる場をぜひ設定してほしい。20241月には課題の整理ができる予定なのか。

[厚労省係長] 1月は難しいかもしれない。大テーマを少なくても一巡させるのが1月。2024年は財政検証の年でもあるので

[当会]社保審部会員と部会の進め方についての議論はされているのか。

[厚労省係長] 議論している。

[当会] 内部の会議において、ぜひ当会申入れについて検討してほしい。

[厚労省係長] ご要望、承った。

 

以上

申入れに関する「福祉新聞」の掲載記事

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